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2017-03-02(Thu)

平成日本紀行(176) 萩 「吉田松陰」(3)





 平成日本紀行(176) 萩 「吉田松陰」(3)    、





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下田市柿崎の弁天島に立つ吉田松陰と金子重輔の像(下田市提供)




『 かくすれば かくなるものと 知りながら 
やむにやまれぬ 大和魂
 』  松陰

1854年、日米和親条約を締結したペリー提督は下田に回航し、条約をどのように実施していくか具体的な事項の交渉を行っていた。 そのような中で、この密航事件が発生した。 
密航者は、吉田松陰と連れ一人であった。


密航、亡命に先立って松蔭は、江戸にいる親友達に集合をかけている。 
このとき既に弟子である「金子重輔」を同行者と決めていた。 

この時、東北遊学で苦楽を共にした宮部鼎蔵などは「海外渡航は国禁であり、見つかれば死罪は免れない」、「これは筋が通らぬ上、命を粗末にする無謀な計画だ、!」などと言って諌めた。 
だが、一方の友人は「人並みはずれた勇気と、それをすぐさま実行に移す行動力は吉田君の長所である。細心さや自重を説いても無駄なことであろう・・!」とも云っている。  
松蔭は内心既に決心していた事ではあるが、心中を察してくれた事に感激し「男子が一度決めた事だ。 たとえ富士の山が噴火しようと、利根川が枯れようとも、志に変わりはない」 
元より松蔭は大げさな表現は好まないが、この日の松蔭は心中いささか高ぶっていたのだろう。 

最後に友人達と別れの挨拶を交わし、貴重な物などを交換し合い、金子と共に米艦隊が停泊する横浜へ、更に、艦隊が下田へ向ったので松蔭も後を追った。


松蔭の密航第一の理由は、西洋の科学技術や情報を見聞・習得することにあり、本場で洋学を修めた後、国に尽くすこと。 つまり、脱藩という重罪を犯した彼に対し、遊学の許可まで与えた「藩」の恩義に報いることでもあった。 
だが彼の本来の理由は彼自身にあり「真の志士は艱難苦難に愈愈(いよいよ)激昂し、才識を極める」ことで、噴気のようなエネルギーを発するところにある。


こうして、二人はどうにか戦艦ポーハタン号へ赴き、願いの密書を携えて密航を訴えるが、結果は、無念ながら米艦軍人達(主にペリー)に良心的に拒否されている。 
その後、幕府に自首し、長州藩へ檻送され野山獄に幽囚されるのである。


ペリーの米艦航海記の中の「日本遠征記」には、「この不運な熱血漢たちが、彼らの閉ざされた帝国を超えた大きな世界を一目見ようとして、私の上着の胸に入れた物があり、その手紙の丹精な、はっきりと書かれた文字は、言葉の意味が理解できない者でさえ、知性と分別のある人の手で書かれたことが良くわかる」と記述されている。 

この託された手紙は、1854年のペリー再来時の下田での松陰(瓜中万二:くわのうちまんじ、と偽名を使って)の密航計画を記したものであった。


松蔭の嘆願密書には、「胸の中で悶々として口にすることもできず、法律を犯すことになっても五大陸を周遊できるように、穏密にあなた方の艦隊に乗船し、航海することを、どうかわれらの願いを軽蔑せずに実行できるようにしていただきたいと」(長文・略)

しかし、その願いは拒絶されるのである。 
その主な理由は、日本は、その国民が外国に出国することを死刑をもって禁じている。 
艦内に逃れてきた二人は、アメリカ人から見れば罪のない者と思われるが、彼ら自身の法律から見れば罪人であった。 
二人が述べたことを疑う理由がないとしても、微かに、彼らのいう動機とは別の不純な動機に動かされたのだということもあり得る。


この事件のペリー提督の感想に、「 日本の厳重な法律を破り、知識を得るために命を賭けた二人の教養ある日本人の烈しい知識欲を示すもので、興味深いことである。 日本人の志向がこのようなものであるとすれば、この興味ある国の前途は何と実のあるものであるか、その前途は何と有望であることか・・!。  そして、投獄された二人を確認して、不幸な二人の日本人が甚だ狭い一種の檻の中に拘禁されているのを認めて、彼らは自分達の不運を非常に平然と耐え忍んでいるらしく、アメリカ士官達の訪問を大いに喜んでいるようでもあった。 哀れな二人の運命がその後どうなったかはまったく確かめることができなかったが、当局が寛大であり、二人の首をはねるというような極刑を与えないことを望む。 なぜなら、それは過激にして残忍な日本の法律によれば大きな罪であっても、我々にとってはただ自由にして大いに讃えるべき好奇心の発露にすぎないように見えるからである 」と述べている。


米艦隊のキャップ及び乗組員は、松蔭等に対して極めて寛大な態度を示している、当然といえば当然であるが、事(こと)国内において、まして江戸表・長州藩邸では再び松蔭のため大騒動になっていた。 

それは、2年と数ヶ月前の脱藩事件においては長州藩内の話であって、幕府の知った事ではなかったが、今度ばかりは国禁を犯したのである。 

この頃の長州藩は10数年後、倒幕の先陣を切る脅威の藩ではなく、幕府を恐れ慌てふためいていた、ただの藩であった。


そして凡そ半年後、幕府は裁定を下した。
江戸詰の松蔭の兄・杉梅太郎、父の百合乃助も監督責任で謹慎させられ、師である佐久間象山も松蔭の仲間であり責任者、合意者ということで伝馬町牢に投獄されている。 
松蔭は、「同じ国禁を犯した赤穂義士は本懐を遂げ、我は失敗した。しかし、志に差があるものか」として獄中で・・、

『 かくすれば かくなるものと 知りながら 
やむにやまれぬ 大和魂
 』

と詠んでいる。


次回は、更に獄中の「吉田松蔭

  
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